カリンの抽出物にインフルエンザ抑制効果
有効成分はエピカテキン主体のポリフェノール
ロッテ(東京都新宿区)は、100種類以上の植物のインフルエンザ抑制効果について調べ、なかでもカリンにインフルエンザウイルスを抑制する強い効果があると発表した。さらに、その有効成分はポリフェノールであることを明らかにした。日本大学医学部感染症ゲノムセンター・清水一史客員教授との共同研究。
研究では、ヨモギ、ユーカリの葉など127種類のハーブや生薬などの植物抽出物について、培養細胞を使ってA香港型インフルエンザウイルス(H3N2)の抑制効果を試験。その結果、アマチャヅル、カリン、ナズナ、レモンバーベナなど12種類に強い抑制効果がみられた。これらは、Aソ連型(H1N1)やB型インフルエンザウイルスに対しても抑制作用があったという。
その中から「食経験が豊富なカリンについて、抑制効果を持つ成分が何か調べた」(清水客員教授)。その結果、エピカテキンが主体となった高分子ポリフェノール(平均分子量5330)であることがわかった。
このポリフェノールがインフルエンザウイルス感染のどの段階で効果を発揮しているのかを培養細胞を使って調べたところ、感染の初期段階である上皮細胞への吸着や、さらに細胞へ侵入する段階でも効果を発揮していたが、その後にウイルスが遺伝子の転写を重ねてどんどん増える段階で特に高い効果(抑制率1000分の1)を発揮していた。
「カリンにはカゼを予防する効果があるとされてきたが、科学的にそのメカニズムの一部が解明できた。カリン抽出物を加えたウイルスを電子顕微鏡で観察すると、ウイルスのエンベロープ(外側の膜)が傷ついていた。このことがウイルスの感染力を抑えていることと関係している可能性がある」と清水客員教授らは考えている。
(日経ヘルス、大屋奈緒子)
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